一般社団法人 呼吸研究 RESPIRATION.JP|雑誌「呼吸」by Respiration Research Foundation 


最新号 3巻2号



~~今月の論文(『呼吸』バックナンバーより)~~

呼吸11(8): 954 - 961, 1992
総 説
呼吸器疾患における遺伝子治療
要旨  近年次々に遺伝性疾患の遺伝子異常が明らかにされることにより,その根本的治療としての遺伝子治療が現実的なものとなってきた。呼吸器疾患においてはα1アンチトリプシン(α1AT)欠損症と嚢胞線維症(cystic fibrosis:CF)が遺伝子治療の対象と考えられ,遺伝子治療へのアプローチとして動物実験での成績が報告されている。呼吸器系は経気道的に遺伝子導入力河能であり,上記両疾患の場合でも気道上皮細胞を標的とした遺伝子導入が有力である。気道上皮細胞のCl-輸送に関与するcystic fibrosis transmembrane conductance regulator(CFTR)に異常があるCFの場合, CF患者の気道上皮細胞にin vitroで正常のCFTR遺伝子を導入することにより正常のCl-分泌機能が回復することが示された。さらにアデノウイルスベクターにヒトCFTR遺伝子やα1AT遺伝子を組み込みin vivoでラット気道上皮細胞に導入し,ヒトCFTR蛋白の発現やヒトα1ATの産生, 分泌が確認されている。以上のことはα1AT欠損症とCFの遺伝子治療が技術的に可能であることを示すものと考えられる。



キーワード: 遣伝子治療    α1アンチトリプシン(α1AT)欠損症    嚢胞線維症(CF)   ウイルスベクター                         Cystic fibrosis transmembrane conductance regulator(CFTR) 
          図2  正常α1アンチトリプシン(α1AT)遺伝子
 遺伝子は7個のエクソン(IA, IB, IC, Ⅱ~V)と6個のイントロンから構成されている。α1ATをコードする領域 はエクソンIIからVに存在する。肝細胞ではα1AT遺伝子の転写はエクソンICから開始して3’側へ進行する(エクソンICの中抜き部分)。肝細胞におけるα1AT遺伝子の発現調節部分は実線で示している。貧食単核球における転写開始点はエクソンIAに存在し,その発現調節部分は破線で示している。開始コドンであるATGの後にシグナルペプチドをコードする領域が続いている(エクソンIIの斜線部分)。3個の糖鎖の結合部位はCHOで示してある。α1ATが好中球エラスターゼと結合する活性部位にあるMet358と停止コドンであるTAAはエクソンVに存在する。
            (Brantly M, et al11). Am J Med 84:1988 より引用)
   



~~遺伝性呼吸器疾患 のなかで欠陥遺伝子が同定され,遺伝子治療の対象と考えられるのは,α1AT欠損症とCFである。~~
~~α1アンチトリプシン(α1AT)遺伝子は12.2kbの単一遺伝子であり,染色体14,q31~32.3に存在し,7つのエクソンから構成されている(図2)11)。α1AT遺伝子には正常,異常を問わず数多くの塩基配列上の変異が存在することが明らかになっている。従ってα1AT欠損症の遺伝子異常は多岐にわたっており,例えばNu11タイプのように血中α1ATが検出できないものや, ZまたはSタイプのように正常に比べ低いレベルのα1AT濃度を示すものまで種々のα1AT欠損症が存在する(表1)12)。~~




本論文のPDFを閲覧する


What's News /お知らせ
2020.6.11 “今月の論文(『呼吸』バックナンバーより)”の掲載を開始します。
2020.4.1 本日より、本情報サイトの 管理・運営をインタージョイン株式会社が担当します。
2020.3.31 本日をもって一般社団法人 呼吸研究の法人組織を解散し活動を停止します。
2019.11.20 『呼吸』eレポート3巻2号を本日公開しました。
2019.5.20 『呼吸』eレポート3巻1号を本日公開しました。
2019.5.8 『呼吸』eレポート3巻1号を5/20月曜日に公開する予定です。
2018.11.21 『呼吸』eレポート2巻2号を本日公開しました。
2018.11.16 『呼吸』eレポート2巻2号を11/21水曜日に公開する予定です。
2018.9.25 『呼吸』バックナンバーをダウンロードするために現在ご使用されているユーザーIDとパスワードの有効期限は、本年12月末となっています。有効期間延長の手続きをお願いします。
2018.6.29 『呼吸』eレポート2巻1号に“解説 臨床”「臨床プロテオゲノミクスによる肺がんのプレシジョン医療」を追加公開しました。
2018.5.23 『呼吸』eレポート2巻1号を本日公開しました。
2018.5.19 『呼吸』eレポート2巻1号を5/23水曜日に公開する予定です。
2017.12.15 『呼吸』eレポート1巻2号に“総説”「新たな肺がん診断・治療戦略 ―PDTの可能性―」を追加公開しました。
2017.12.08 『呼吸』eレポート1巻2号に“解説 臨床”「日本人を対象としたCOPDスクリーニング質問票」を追加し、本日公開しました。
2017.11.29 『呼吸』eレポート1巻2号を本日公開しました。
2017.11.22 『呼吸』eレポート1巻2号を11/29水曜日に公開する予定です。
2017.11.06 『呼吸』eレポートのISSN登録手続きが完了しました。ISSN は、2433-5436となります。
2017.05.30 『呼吸』eレポート閲覧画面にズーム機能を追加しました。論文各ページの左上の虫眼鏡をクリックするごとに拡大率が変化します。
2017.05.24 『呼吸』eレポート創刊号を公開しました。
2016.02.22 事務所を移転します。現在の神田須田町から3月1日に、文京区本郷2丁目に移ります。引っ越し作業に伴い、メールが一時使用できません。また、電話も03-3257-6931から 03-5844-6530に変わります。
2015.12.16 『呼吸』Vol.34 No.12 が発刊されました。 12月号には、第43回箱根呼吸討論会記録がsupplementとして付いています。なお、『呼吸』はこれで休刊になります。
2015.11.17 12月15日発刊予定の『呼吸』Vol.34 No.12 で休刊になります。12月号には、第43回箱根呼吸討論会記録がsupplementとして付いています。
2015.11.16 『呼吸』Vol.34 No.11 が発刊されました。
2015.10.15 『呼吸』Vol.34 No.10 が発刊されました。
2015.10.02 『呼吸』はVol.34 No.12 で休刊となります。
2015.09.15 『呼吸』Vol.34 No.9 が発刊されました。
2015.08.17 『呼吸』Vol.34 No.8 が発刊されました。
2015.07.15 『呼吸』Vol.34 No.7 が発刊されました。
2015.06.15 『呼吸』Vol.34 No.6 が発刊されました。
6月号では、コロナウイルスの感染症 中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。執筆は長崎大学熱帯医学研究所新興感染症学分野の 安田二朗先生です。
2015.06.03 『呼吸』Vol.34 No.6 が15日に発刊されます。長崎大学野の 安田二朗先生により中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。
2015.05.15 『呼吸』Vol.34 No.5 発刊
2015.04.15 『呼吸』Vol.34 No.4 発刊

一般社団法人 呼吸研究解散のご案内
拝啓
 平素は一般社団法人 呼吸研究の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、一般社団法人 呼吸研究は本年3月に法人組織を解散し活動を停止することになりました。
 滝島任先生が初代編集委員長として、1982年9月に創刊された雑誌『呼吸』は、読者の皆様やご寄稿いただいた先生方など大変多くの方々からのお力添えを賜り、呼吸器学の月刊専門誌として、基礎から臨床にいたるまでの最新知見を読みやすい誌面でお伝えしていくことを目標に、刊行を続けてまいりました。その『呼吸』が諸般の事情により、2014年末に34巻12号で冊子体としての発行を休止いたしました。
 その後、『呼吸』編集委員会は、呼吸器関係の学術誌が限られた発行状況にあることを考慮して、『呼吸』バックナンバーのWeb上での閲覧を持続するとともに、電子図書『呼吸』eレポートの発行を行ってまいりました。
 しかし諸般の状況検討により、今後の活動継続は困難と判断し、法人解散の手続きを関係者の体力的に余力があるうちに実施することを編集委員会の総意として決定しました。
 法人解散後は、一般社団法人 呼吸研究が有していました『呼吸』等発行図書の著作権を公益財団法人 日本呼吸器財団に承継していただき、WEB上での “『呼吸』バックナンバー検索・閲覧システム”の維持運営と発行済『呼吸』eレポートの閲覧公開を継続することにしています。

 長きにわたり『呼吸』と一般社団法人 呼吸研究の活動にご支援賜りました皆様方には厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具

2020年2月 
一般社団法人 呼吸研究
事務局