一般社団法人 呼吸研究 RESPIRATION.JP|雑誌「呼吸」by Respiration Research Foundation 


最新号 3巻2号



~~今月の論文(『呼吸』バックナンバーより)~~

呼吸34(4):379―383,2015
講座 画像診断  びまん性陰影を読み解く
  スリガラス影
要旨 胸部単純写真や胸部CT検査において、種々の陰影を表現する言葉には浸潤影、スリガラス影、結節影、網状影、線状影など様々なものがある。そのうち肺野濃度上昇を表す言葉にはコンソリデーションとスリガラス影が挙げられる。ここでは胸部単純写真でびまん性陰影を呈するスリガラス影について、どのような陰影のことを指すのかおよびどのような疾患で認められるのかを述べ、後半で実際の症例を呈示する。


キーワード: スリガラス  単純写真  CT
           図4 肺水腫
a:胸部単純写真、 b:胸部単純CT(肺野条件)
20 歳代男性、呼吸苦を主訴に来院。胸部単純写真では やや左肺優位にスリガラス影が疑われる。下肺野では Kerleyʼs line が認められる。
胸部CTでは少量の胸水と広義間質肥厚像が認められる。

~~スリガラス影とは胸部単純写真で淡く細かい陰影がびまん性にあり、あたかもスリガラスを通してものがみえるような陰影のことである。一方、胸部CT検査におけるスリガラス影は病変内の肺血管を認識できるごく軽度の肺野濃度の上昇のことである。そのため、胸部単純写真のスリガラス影と胸部CTでのスリガラス影は一致しないこともある。~~
~~このスリガラス影は、もともとは間質性病変の初期を表す所見であったが、現在では、肺胞性病変にも使われている用語であり~~
~~肺水腫とは、肺静脈圧上昇や血管透過性の亢進により血管内から肺胞壁、小葉間隔壁、気管支血管周囲間質などの間質や肺胞腔内へ水分が漏出し貯留する状態である。~~
~~画像所見(図4)としては、間質性肺水腫は、上肺野の血管が下肺野に比べて太くなり、Kerleyʼs line、気管支壁の肥厚、肺門血管影のぼけ像、心拡大などが挙げられる。Kerleyʼs B line は、厚さ0.5〜1mm、長さ1〜3cmほどの胸膜面に直行する線状陰影であり、下肺野に多くみられる。~~
~~画像上、スリガラス影を呈し得る疾患は多岐にわたる。このためスリガラス影を評価するには、胸部単純写真だけでは困難なことが多く、高分解能CTの詳細な読影や臨床症状、治療経過など総合的に判断する必要がある。

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2015.12.16 『呼吸』Vol.34 No.12 が発刊されました。 12月号には、第43回箱根呼吸討論会記録がsupplementとして付いています。なお、『呼吸』はこれで休刊になります。
2015.11.17 12月15日発刊予定の『呼吸』Vol.34 No.12 で休刊になります。12月号には、第43回箱根呼吸討論会記録がsupplementとして付いています。
2015.11.16 『呼吸』Vol.34 No.11 が発刊されました。
2015.10.15 『呼吸』Vol.34 No.10 が発刊されました。
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2015.09.15 『呼吸』Vol.34 No.9 が発刊されました。
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2015.07.15 『呼吸』Vol.34 No.7 が発刊されました。
2015.06.15 『呼吸』Vol.34 No.6 が発刊されました。
6月号では、コロナウイルスの感染症 中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。執筆は長崎大学熱帯医学研究所新興感染症学分野の 安田二朗先生です。
2015.06.03 『呼吸』Vol.34 No.6 が15日に発刊されます。長崎大学野の 安田二朗先生により中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。
2015.05.15 『呼吸』Vol.34 No.5 発刊
2015.04.15 『呼吸』Vol.34 No.4 発刊

一般社団法人 呼吸研究解散のご案内
拝啓
 平素は一般社団法人 呼吸研究の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、一般社団法人 呼吸研究は本年3月に法人組織を解散し活動を停止することになりました。
 滝島任先生が初代編集委員長として、1982年9月に創刊された雑誌『呼吸』は、読者の皆様やご寄稿いただいた先生方など大変多くの方々からのお力添えを賜り、呼吸器学の月刊専門誌として、基礎から臨床にいたるまでの最新知見を読みやすい誌面でお伝えしていくことを目標に、刊行を続けてまいりました。その『呼吸』が諸般の事情により、2014年末に34巻12号で冊子体としての発行を休止いたしました。
 その後、『呼吸』編集委員会は、呼吸器関係の学術誌が限られた発行状況にあることを考慮して、『呼吸』バックナンバーのWeb上での閲覧を持続するとともに、電子図書『呼吸』eレポートの発行を行ってまいりました。
 しかし諸般の状況検討により、今後の活動継続は困難と判断し、法人解散の手続きを関係者の体力的に余力があるうちに実施することを編集委員会の総意として決定しました。
 法人解散後は、一般社団法人 呼吸研究が有していました『呼吸』等発行図書の著作権を公益財団法人 日本呼吸器財団に承継していただき、WEB上での “『呼吸』バックナンバー検索・閲覧システム”の維持運営と発行済『呼吸』eレポートの閲覧公開を継続することにしています。

 長きにわたり『呼吸』と一般社団法人 呼吸研究の活動にご支援賜りました皆様方には厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具

2020年2月 
一般社団法人 呼吸研究
事務局 
ご案内
 旧一般社団法人呼吸研究に帰属していました『呼吸』等に関わる著作権は、2020年3月に一般社団法人呼吸研究が解散し、公益財団法人日本呼吸器財団に承継されていましたが、2024年4月から一般社団法人日本呼吸器学会に承継されることになりました。
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2024年4月 インタージョイン株式会社