図2 COPD における栄養障害のメカニズム ~~ COPD は呼吸器悪液質(pulmonary cachexia)を呈する代表的疾患であり8)9),健常対照と比較して 除脂肪量(lean body mass:LBM) や 脂肪量(fat mass:FM) の減少とともに骨塩量(bone mineral content:BMC)の減少もみられる。 ~~~内臓蛋白では血清アルブミンに有意差は認めず,rapid turnover protein (RTP)であるプレアルブミン,レチノール結合蛋白はCOPD 患者で低下を示す。血漿アミノ酸分析では,分岐鎖アミノ酸(branched chain amino acids:BCAA)の有意な低下に基づく BCAA/芳香族アミノ酸(aromatic amino acids:AAA)比の低下を認める。即ち,安定期 COPD患者は RTP の低下とアミノ酸インバランスを伴うマラスムス型の蛋白・エネルギー栄養障害(protein energy malnutrition:PEM)を呈している9)。
~~~COPD における栄養障害の発症には多くの要因が複合的に関与していると考えられている。主として代謝亢進に起因するエネルギーインバランスや全身性炎症,内分泌ホルモンの分泌動態の変化などが関与17)している(図 2)。~~ |
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一般社団法人 呼吸研究解散のご案内
拝啓 平素は一般社団法人 呼吸研究の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、一般社団法人 呼吸研究は本年3月に法人組織を解散し活動を停止することになりました。 滝島任先生が初代編集委員長として、1982年9月に創刊された雑誌『呼吸』は、読者の皆様やご寄稿いただいた先生方など大変多くの方々からのお力添えを賜り、呼吸器学の月刊専門誌として、基礎から臨床にいたるまでの最新知見を読みやすい誌面でお伝えしていくことを目標に、刊行を続けてまいりました。その『呼吸』が諸般の事情により、2014年末に34巻12号で冊子体としての発行を休止いたしました。 その後、『呼吸』編集委員会は、呼吸器関係の学術誌が限られた発行状況にあることを考慮して、『呼吸』バックナンバーのWeb上での閲覧を持続するとともに、電子図書『呼吸』eレポートの発行を行ってまいりました。 しかし諸般の状況検討により、今後の活動継続は困難と判断し、法人解散の手続きを関係者の体力的に余力があるうちに実施することを編集委員会の総意として決定しました。 法人解散後は、一般社団法人 呼吸研究が有していました『呼吸』等発行図書の著作権を公益財団法人 日本呼吸器財団に承継していただき、WEB上での “『呼吸』バックナンバー検索・閲覧システム”の維持運営と発行済『呼吸』eレポートの閲覧公開を継続することにしています。 長きにわたり『呼吸』と一般社団法人 呼吸研究の活動にご支援賜りました皆様方には厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具
2020年2月 一般社団法人 呼吸研究 事務局 |