一般社団法人 呼吸研究 RESPIRATION.JP|雑誌「呼吸」by Respiration Research Foundation 


最新号 3巻2号



~~今月の論文(『呼吸』バックナンバーより)~~

呼吸32(7):612―618,2013
解説 臨床
   シェーグレン症候群と肺病変
要旨  シェーグレン症候群はlymphoaggressive disorderと特徴付けられる自己免疫疾患である。訴えが多いことから不定愁訴とされ,確定診断までいたらず潜在的患者が多い疾患である。肺病変合併頻度は高く,自覚症状がなくても呼吸機能検査や胸部X線写真や胸部CTで評価することが望ましい。主な肺病変は①間質性肺炎②リンパ増殖性疾患③気道病変である。また悪性リンパ腫発症高リスク疾患である。本稿では呼吸器科内科医が知っておくべきシェーグレン症候群診断について解説し,肺病変について述べる。
 
キーワード: シェーグレン症候群肺病変   シェーグレン症候群診断   間質性肺炎
図2 UIP症例胸部CT画像
 後部および下肺野中心に胸膜下にすりガラス陰影を認めている。胸腔鏡下肺生検でUIPの診断となった。現在まで進行は認められていない。
                   (岩手医科大学内科学講座呼吸器アレルギー膠原病分野 中村豊医師より提供)

~~シェーグレン症候群(Sjögrenʼs syndrom:SS)はdry eye,dry mouth の乾燥症状を主症状とする疾患である。~~
~~腺外症状の1つである呼吸器病変の合併頻度は9〜75%1)〜6)までと様々報告されている。特に原発性SS患者において間質性肺炎は最も多い呼吸器病変であり約25%は合併する~~
~~原発性SSに多い間質性肺炎の病理組織所見は多彩である。通常型間質性肺炎(usual interstitial pneumonia: UIP)パターン,非特異型間質性肺炎(nonspecific interstitial pneumonia:NSIP)パターン,器質化肺炎(organizing pneumonia:OP)パターン,リンパ球性間質性肺炎 (lymphocytic interstitial pneumonia:LIP)パターン,アミロイドーシス,悪性リンパ腫等多様であり17)〜20),その急性増悪期のびまん性肺胞障害21)等が報告されている。~~
~~HRCT所見:頻度が高い所見として(1)すりガラス状陰影(2)線維症(3)小葉中心性結節影(4)肺嚢胞がある。~~
~~原発性SSの間質性肺炎は最近の報告ではやはりNSIP/UIPが多く,LIPも稀に認められる。
UIP:UIPの組織学的主要所見は,蜂巣肺形成を伴う密な線維巣や間質性肺炎病巣の近傍に位置する線維芽細胞の増生巣(fibroblastic foci)を同時に認めることである。この線維化の時相の多彩さがUIPの特徴となる。~~
~~胸腔鏡下肺生検でUIPと診断されたSS-ILD症例を示す(図2)。~~


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6月号では、コロナウイルスの感染症 中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。執筆は長崎大学熱帯医学研究所新興感染症学分野の 安田二朗先生です。
2015.06.03 『呼吸』Vol.34 No.6 が15日に発刊されます。長崎大学野の 安田二朗先生により中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。
2015.05.15 『呼吸』Vol.34 No.5 発刊
2015.04.15 『呼吸』Vol.34 No.4 発刊

一般社団法人 呼吸研究解散のご案内
拝啓
 平素は一般社団法人 呼吸研究の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、一般社団法人 呼吸研究は本年3月に法人組織を解散し活動を停止することになりました。
 滝島任先生が初代編集委員長として、1982年9月に創刊された雑誌『呼吸』は、読者の皆様やご寄稿いただいた先生方など大変多くの方々からのお力添えを賜り、呼吸器学の月刊専門誌として、基礎から臨床にいたるまでの最新知見を読みやすい誌面でお伝えしていくことを目標に、刊行を続けてまいりました。その『呼吸』が諸般の事情により、2014年末に34巻12号で冊子体としての発行を休止いたしました。
 その後、『呼吸』編集委員会は、呼吸器関係の学術誌が限られた発行状況にあることを考慮して、『呼吸』バックナンバーのWeb上での閲覧を持続するとともに、電子図書『呼吸』eレポートの発行を行ってまいりました。
 しかし諸般の状況検討により、今後の活動継続は困難と判断し、法人解散の手続きを関係者の体力的に余力があるうちに実施することを編集委員会の総意として決定しました。
 法人解散後は、一般社団法人 呼吸研究が有していました『呼吸』等発行図書の著作権を公益財団法人 日本呼吸器財団に承継していただき、WEB上での “『呼吸』バックナンバー検索・閲覧システム”の維持運営と発行済『呼吸』eレポートの閲覧公開を継続することにしています。

 長きにわたり『呼吸』と一般社団法人 呼吸研究の活動にご支援賜りました皆様方には厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具

2020年2月 
一般社団法人 呼吸研究
事務局 
ご案内
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2024年4月 インタージョイン株式会社