図6 63歳 男性 石綿吹き付け 12年 両側胸膜に肥厚と、肺内に入り込む線状影を認め、びまん性胸膜線維化の所見である(矢頭)。肺野の濃度は不均一に上昇しており、
小葉中心性のスリガラス状結節影が認められる(矢印)。早期の石綿肺の所見に矛盾しない。 (図版および解説は、獨協医科大学放射線科 荒川浩明博士による) ~~日本では、1963年からアスベストの輸入がはじまり、1974年にピークに達する3)。特に毒性の強いクロシドライト、アモサイトの輸入、使用が禁止されたのが 1996年3)であるが、アスベストセメントなど各種建材などにこれらのアスベストがいまなお含まれていることを忘れてはならない。またクリソタイルは 2004年 10月から、建材などへの使用が禁止となっている。~~
~~アスベスト繊維沈着部位に集まったマクロファージが活性化することにより、最終的に線維化へといたる一連の炎症反応がはじまる~~~アスベスト繊維を貪食したマクロファージが主役となり、オキシダントやフリーラジカル、種々のサイトカインを放出することによって炎症を持続させ、結果として線維化が進展していく。粉塵は「決して死なない細菌」なので、クリアランスが有効に働いて粉塵が局所から除去されない限り、肺の炎症は続く。~~ ~~蜂巣肺(honeycomb lung)を形成するようになれば、end stageとしての grade 4であるが、grade 3の段階で呼吸不全を主体とする臨床症状は既にかなり高度のため、特発性肺線維症(IPF)でみられるような完成した広汎な蜂巣肺をみるまで患者が生存することはむしろ少ない10)(図 5)。画像的にも小葉中心性の病変を認めることができる9)(図 6)。~~ |
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一般社団法人 呼吸研究解散のご案内 拝啓 平素は一般社団法人 呼吸研究の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、一般社団法人 呼吸研究は本年3月に法人組織を解散し活動を停止することになりました。 滝島任先生が初代編集委員長として、1982年9月に創刊された雑誌『呼吸』は、読者の皆様やご寄稿いただいた先生方など大変多くの方々からのお力添えを賜り、呼吸器学の月刊専門誌として、基礎から臨床にいたるまでの最新知見を読みやすい誌面でお伝えしていくことを目標に、刊行を続けてまいりました。その『呼吸』が諸般の事情により、2014年末に34巻12号で冊子体としての発行を休止いたしました。 その後、『呼吸』編集委員会は、呼吸器関係の学術誌が限られた発行状況にあることを考慮して、『呼吸』バックナンバーのWeb上での閲覧を持続するとともに、電子図書『呼吸』eレポートの発行を行ってまいりました。 しかし諸般の状況検討により、今後の活動継続は困難と判断し、法人解散の手続きを関係者の体力的に余力があるうちに実施することを編集委員会の総意として決定しました。 法人解散後は、一般社団法人 呼吸研究が有していました『呼吸』等発行図書の著作権を公益財団法人 日本呼吸器財団に承継していただき、WEB上での “『呼吸』バックナンバー検索・閲覧システム”の維持運営と発行済『呼吸』eレポートの閲覧公開を継続することにしています。 長きにわたり『呼吸』と一般社団法人 呼吸研究の活動にご支援賜りました皆様方には厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具
2020年2月 一般社団法人 呼吸研究 事務局
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旧一般社団法人呼吸研究に帰属していました『呼吸』等に関わる著作権は、2020年3月に一般社団法人呼吸研究が解散し、公益財団法人日本呼吸器財団に承継されていましたが、2024年4月から一般社団法人日本呼吸器学会に承継されることになりました。 なお本サイトの管理、および本サイト上での“『呼吸』バックナンバー検索・閲覧システム” の維持運営はインタージョイン株式会社が行っています。
2024年4月 インタージョイン株式会社
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