一般社団法人 呼吸研究 RESPIRATION.JP|雑誌「呼吸」by Respiration Research Foundation 


最新号 3巻2号



~~今月の論文(『呼吸』バックナンバーより)~~

呼吸16(9):1250―1258,1997
総説 
       肺の神経支配と疾患
要旨  肺には豊富な自律神経の分布があり、気道の収縮、拡張だけでなく、炎症反応の調節あるいは増悪因子として重要である。実際、喘息や慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)の治療において、β2刺激剤や抗コリン剤が有効なことから、これらの疾患に対する自律神経系の関与が示唆される。しかし、これら薬剤の有効性は、疾患の本態である気道炎症に対する改善効果というよりは、気道平滑筋収縮や過分泌に対する対症療法かもしれない。一方、知覚神経由来のペプタイド(SP)は、それ自体および炎症細胞刺激を介した二次的な作用から強い炎症作用を示し(神経原性炎症)、この経路の抑制は炎症性気道疾患の治療の1つとなる可能性がある。本稿では、各神経系の肺への分布と疾患との関連性について述べる。

キーワード: 喘息  慢性気管支炎  神経原性炎症  受容体  サブスタンスP
     図1 気道の神経支配     図3 コリン作動性神経経路とムスカリン受容体サブタイプ
NANC:nonadrenergic noncholinergic(非アドレナリン非コリン作動性), i:inhibitory(抑制性),
e:excitatory(興奮性), NE:norepinephrine, NPY:neuropeptide Y, ACh:acetylcholine,
VIP: vasoactive intestinal peptide, NO:nitric oxide, CGRP:calcitonin gene-related peptide,
NK:neurokinin, C:収縮, D:拡張


~~ 肺の神経系は機能的に分類すると、図1のようになる5)。 これら神経系は、気道内腔あるいは血管内腔への刺激により、様々な神経伝達物質が放出され、気道や血管の平滑筋収縮や弛緩を介した気道内腔径や、血流量の調節、およびこの両者のmatching(あるいはmismatching)が起こる。さらに、これら神経系は気道の分泌、血管透過性にも関与し、気道炎症の面からも重要な調節因子である。~~
~~ β遮断剤の投与は、健常者では気道収縮を起こさないが喘息では起こす。この気道収縮は抗コリン剤で解除される。この理由としては、以下のように考えられる。つまり、神経性あるいは副腎髄質由来のカテコールアミンは、迷走神経末端のβ2受容体を刺激し、ACh放出を抑制するように作用しているのでβ遮断剤投与はACh放出促進に働く。このACh過放出は、健常者では迷走神経末端の M2受容体を刺激し、ACh放出を低下させるように調節機序が働く(図3)。一方、喘息気道では、M2受容体の機能低下があり、ACh放出の抑制機序が働かないと考えられる13)。~~


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2015.09.15 『呼吸』Vol.34 No.9 が発刊されました。
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2015.07.15 『呼吸』Vol.34 No.7 が発刊されました。
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6月号では、コロナウイルスの感染症 中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。執筆は長崎大学熱帯医学研究所新興感染症学分野の 安田二朗先生です。
2015.06.03 『呼吸』Vol.34 No.6 が15日に発刊されます。長崎大学野の 安田二朗先生により中東呼吸器症候群(MERS)について、「総説:いま、警戒すべき輸入ウイルス感染症」で解説されています。
2015.05.15 『呼吸』Vol.34 No.5 発刊
2015.04.15 『呼吸』Vol.34 No.4 発刊

一般社団法人 呼吸研究解散のご案内
拝啓
 平素は一般社団法人 呼吸研究の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、一般社団法人 呼吸研究は本年3月に法人組織を解散し活動を停止することになりました。
 滝島任先生が初代編集委員長として、1982年9月に創刊された雑誌『呼吸』は、読者の皆様やご寄稿いただいた先生方など大変多くの方々からのお力添えを賜り、呼吸器学の月刊専門誌として、基礎から臨床にいたるまでの最新知見を読みやすい誌面でお伝えしていくことを目標に、刊行を続けてまいりました。その『呼吸』が諸般の事情により、2014年末に34巻12号で冊子体としての発行を休止いたしました。
 その後、『呼吸』編集委員会は、呼吸器関係の学術誌が限られた発行状況にあることを考慮して、『呼吸』バックナンバーのWeb上での閲覧を持続するとともに、電子図書『呼吸』eレポートの発行を行ってまいりました。
 しかし諸般の状況検討により、今後の活動継続は困難と判断し、法人解散の手続きを関係者の体力的に余力があるうちに実施することを編集委員会の総意として決定しました。
 法人解散後は、一般社団法人 呼吸研究が有していました『呼吸』等発行図書の著作権を公益財団法人 日本呼吸器財団に承継していただき、WEB上での “『呼吸』バックナンバー検索・閲覧システム”の維持運営と発行済『呼吸』eレポートの閲覧公開を継続することにしています。

 長きにわたり『呼吸』と一般社団法人 呼吸研究の活動にご支援賜りました皆様方には厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
 末筆ながら、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具

2020年2月 
一般社団法人 呼吸研究
事務局